物理

物理について(2)

  ひとつ例をあげましょう。 宇宙がビッグバンという大爆発から始まって、 今もずっと膨らみ続けているということはよく知られていますね。 しかし、ちょっと考えてみて下さい。 夜空を見上げても、宇宙が膨らんでいる様子はちっとも見えません。 では、宇宙が膨らんでいるということが一体どうやってわかったのでしょう。 その鍵は、ドップラー効果という現象にあります。 救急車がサイレンを鳴らしながら近づいてくるときその音が高く聞こえ、 遠ざかるときは低く聞こえるという、あの現象です。

  救急車のサイレンの場合、 ドップラー効果が起きるのは救急車が音を出しながら動くことによって音波の波長(波の波紋の間隔)が変わるからです。 音の正体が空気を伝わる振動であるということはよく知られていますが、 その振動の様子が変わると音の高さが違って聞こえるのです。 波長の短い音波は高く、波長の長い音波は低い音に聞こえます。

  救急車の場合は音波、つまり空気の振動が起きているわけですが、 このドップラー効果は光でも起こります。 なぜなら、実は光も波の一種だからです。 専門用語ではこの波を電磁波といいます。 もし、黄色い光を出しているランプが私たちに近づいてくると、 波長が短くなって青っぽく見えます。 逆に、ランプが私たちから遠ざかっているときは波長が引きのばされて赤っぽく見えるようになります。

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