皆さんは選択科目を選ぶとき、単位の取りやすさや思いつきなど、 安易な気持ちで選んでいませんか。 しかし、ちょっと待ってください。
選択科目には (1)教養を深め、技術者として、また人間としての視野を広げるためもの、 (2)工学を支える理論的・基礎的な背景を学ぶためのもの、 (3)専門的な話題で、興味を持つ人が学べばよいもの、 などいろいろあります。 自然科の選択科目には、このうち(1)と(2)に相当する科目が多いのですが、 これらは長い目で見たとき、 皆さんにとって財産になるというお話をします。
技術の現場では、いろいろな分野の専門家がチームを組んで、技術開発をすることが良くあります。 チーム内で技術上の問題意識を共有し、相互に適切なコミュニケーションを取るには、 自分の専門分野だけではなく、 自然科学全般にわたる広い知識を持っている必要があります。 また、技術は日々進歩しますから、技術の背後にある理論的・基礎的部分を きちんと理解しておかないと、10年後、20年後には技術の進歩についていけなくなってしまいます。
大学に編入しようという人は、 高校から大学に進む一般的コースでは、 高専よりも理論的・基礎的な内容に重点を置いた教育がなされていることを知っておいて下さい。 実際、高校や大学1〜2年生では必修になっている基本科目なのに、 高専では選択科目になっているものがあります。 また、高専では学習時間が少ないものもあります。 編入する人はそのあたりのことをよく考えて準備しておかないと、 編入したあとで困ることがあります。 特に大学院まで行こうという人は、 基礎基本を大切にしましょう。
高校から大学1〜2年生で必修になっている基本科目を、
皆さんが大学編入後に改めて学ぶ機会はほとんどないと考えられます。
大学3年次に在籍する学生の99%は高校からの進学者で、
彼らは当該科目をすでに履修済みだからです。
皆さんは、本校在籍中に、適切に選択科目をとらないと、生涯、
学ぶ機会を失ってしまうことがあるのです。
(専攻科進学者は専攻科進学後に学ぶ機会があります。
詳しくは専攻科生へのアドバイスのページをご覧ください。)
人文社会系の知識(これらは30年40年のスパンで見るととても重要です) は社会に出てからも、不足を感じたら独学で学び、ある程度身に付けることは可能です。 実践的な工学の知識も、会社に入ってから、 現場で仕事をしながら身に付けることは十分可能です。 しかし自然科が開講しているような、理学系の基礎科目は、 学校を卒業してしまうと、改めて学ぶことが困難になることが多いものです。 難解な数物系の科目を敬遠したい気持ちもわからなくはありませんが、 悔いの残らないよう、よく考えて履修しましょう。
以下では、自然科が開講している4〜5年次の選択科目についてご紹介します。 選択科目を選ぶ上での参考にしてください。