生物

生物学とは

  近代生物学は、サハリアス・ヤンセンとハンス・ヤンセン父子による顕微鏡の発明(1590年)を契機として誕生したと考えられます。 顕微鏡は細胞や微生物の発見をもたらし、 17世紀には動物と植物が同じ構造単位から成っていることを明らかにしました。 しかし当時は、まだ生命は自然発生するものと信じられていました。 これを覆したのは1862年にルイ・パスツールが行った「白鳥の首フラスコ」を用いた有名な実験です。 これによって「生命の自然発生説」は実験的に否定され、 いかなる細胞も既存の細胞から生じることが理解されました。 こうして生物学は次第に神秘性を排除し、 近代科学として急速に整備されていきます。

  1865年、グレゴール・ヨハン・メンデルが交雑実験から遺伝の法則を発見し、 遺伝子の存在を示唆すると、まもなく細胞内から染色体が発見され、 染色体が遺伝子の担い手であることが明らかになります。 染色体の基本構成要素が、 デオキシリボ核酸(DNA)という高分子化合物であることもわかりました。

続きを読む