勉強法・アドバイス(2)
物理学では，自然現象を正確に記述するための言葉として，数学を多用します． 高校物理では文字式の変形，三角関数，ベクトルの取り扱い， 大学基礎教育レベルの物理学では，微積分，微分方程式，線形代数， ベクトル解析，フーリエ解析といったところが，よく使われます． そのような数学の計算に慣れておくことは， 物理学の学習において大きな手助けになります．
物理学は，自然現象を正しく記述する法則を見出すことを目的としています． 論理的に矛盾なく，数学的にも正しく計算を進めた上で導かれた結果であったとしても， 対象となる自然現象を正しく記述しない理論は間違いとして切り捨てなければなりません． 物理学における様々な理論や仮説は， 実験や観測による検証という厳しいテストをくぐり抜ける必要があるのです． 計算の過程や計算結果を，対象となる現象や実験に対応させ， その物理的な意味をきちんと確認することが重要です． 物理を学び始めたばかりの学生諸君は，クラクラするような計算に目を奪われがちですが， その様な計算は，あくまでも物理学を学ぶための手段に過ぎないことに注意して下さい．